11月20日、幕張西公民館講堂で社会福祉協議会幕張西地区部会主催の「講演会」を開きました。テーマは昨年に続き‘絆’です。とりわけ今回は東日本大震災の発生後、災害時の対応に‘地域の絆’の大切さが指摘されているだけに、たくさんの参加の皆さんは講師の畔上先生のお話を聞き漏らすまいと、熱心に聞き入っていました。

講演会は藤谷・高齢者福祉委員会委員長の司会で始まり、海渡・障害者福祉委員会委員長が来場のみなさんに参加のお礼を述べました。続いて松本・部会長から「今回も絆がテーマですが、日本人の美徳といわれる絆が年々細くなっているとの話もある昨今、是非畔上先生のお話をお聞きいただきたい」との挨拶の後、本題の講演に入りました。
講師の畔上加代子先生は居宅介護支援事業の「株式会社エイゼット」の社長さん、毎回講演をお願いするだけに「幕張西にお邪魔するとふるさとに戻った感じもします」と言いながら、はじめに「3.11大震災発生時にどこにいたか、何を感じたか、被害はどうだったか」を全参加者の‘聞き取り’から始めました。皆さん、積極的に発言されて「自転車に乗っていた」「スーパーで買い物中」「陶芸教室」「自宅に在宅」「旅行先で当日は地元の体育館に泊る」「浦安にいた」等など―、と場所だけでも様々でした。ところが「今後また震災発生の際、安全・安心のため何が必要か」となると一様に「情報と仲間」とお答えになります。
畔上先生は「それが絆の大切なところです。今回の皆さんの体験を、地域全体の財産にしていくことが‘絆を強める、発展させる’好例ではないでしょうか」と指摘されて「今回の大震災で、対応が個人情報と環境データをしっかり把握している自治会ほど正しい事後措置がとれました。例えば、仮設住宅に入居する場合でも、情報把握している自治会は知人どおしを隣同士に出来ますが、そうでない場合は見ず知らずの人が隣になるという安心・安全に問題のある対応になってしまう。日常、地域コミュニティをどう深めているかが不可欠で、絆とはそのような積み重ねなのです」と強調されました。また、「振り込め詐欺」「自転車の走行方法」など、高齢者に起こりやすい問題も‘日常のコミュニティ=絆の深化’により解決しやすくなると、実践的な指摘の多い講演となりました。
休憩後は、介護保険士の田中裕介氏により「介護保険」に関する説明がありました。千葉市発行のパンフレット「みんなで支え合う 介護保険」の中味を、15問の質問にYes、Noで答える‘Q & A’形式で説明され、理解を深めました。また、「福祉用具購入の注意事項」の説明もありました。
畔上先生は「認知症も恥かしいことでないのと同様に、介護保険の友好的な利用方法も、今日のような会での話を耳のどこかに留めておいて、‘あれはどうだ、これは出来るか’と公的機関や私達専門職に遠慮なく聞くことが何よりも大事でしょう。幕張西の皆さんは冒頭お話したように私のふるさとのお友達のようなもの、是非今後もおつきあいしたいものです」と結ばれて、2時間半に渡り真剣に聞き入った講演会は終了しました。
(渡邉 記)
2011年11月21日|投稿者:スタッフ|
