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全員‘納得しました’の「リスクマネジメント研修会」


暦どおりの寒さとなった「大寒」の1月21日、千葉県総合スポーツセンター・スポーツ科学センターに、県下23の総合型地域スポーツクラブから57名の仲間が集まり「リスクマネジメント研修会」(主催:日本体育協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会、主管:千葉県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会、支援:財団法人スポーツ安全協会)が開かれました。「法的リスクマネジメントについて」の座学、「一次救命処置(AEDの使用方法)」の実技を学んだ5時間は、参加者全員が「参加してよかった」と感銘を受けた素晴らしい内容の研修会となりました。

 会場の「第1研修室」前の受付には、参加の皆さんに渡す資料が満載、研修の中味の濃さを感じさせます。12時20分、藤井理事の進行で開式し、田淵連絡協議会会長は「寒い中の参加に感謝します。昔はスポーツをしての怪我は全て‘自己責任’で済んでいましたが今はそのような時代ではなくなったようです。法的部分など勉強し、楽しくスポーツが出来、安全なクラブ運営をめざす機会に今日の研修会をしていただきたい」との挨拶がありました。続いて支援団体の 財団法人スポーツ安全協会・窪田事業部長は「スポーツクラブ運営で不可欠の要件のひとつに‘安全・安心’があり、具体的には『安全保険』もその範疇に入ります。総合型地域スポーツクラブには強い関心を持ち支援を進めています」と連帯の意を含めた挨拶をいただきました。

「法的リスクマネジメント」の講義が始まりました。講師はregista有限責任事業組合

代表の谷塚哲先生。スポーツマンらしい若々しく歯切れの良い口調で、プロジェクターを使用しながらのお話です。「スポーツと事故・怪我」「スポーツに内在する危険」「指導者と安全配慮義務」「スポーツ中の突然死」「スポーツ事故と法的責任」「法人化の必要性」「スポーツ指導と体罰」「スポーツ指導とセクシャルハラスメント」「保険について」と、各項目ごとに豊富な実際例を挙げながら詳細な説明には、「もう2時間たったの?」と感じるほど充実したものでした。注意された点として指摘されたことは、

 ・昔に比較して「スポーツを安全に行いましょう」との意識変化が起きている。

 ・スポーツは本来‘安全なものでなく危険が付き物’、そのリスクを起さないための安

  全配慮義務が大切で、良い指導者とはリスクを起させないことが第一義。

 ・「単種目、単世代」でスポーツを楽しんだ過去、現在は「他種目・多世代」で楽しむ

  時代で、スポーツによる事故、怪我は‘自己責任’で済まなくなった。

 ・スポーツクラブ員は、入会した時点で会費を払う義務に対して‘安全にスポーツが出

  来る’という権利を得る。これは「契約の成立」と捉えることが大事で「安全配慮義

  務」の基本と言える。

 ・事故発生しての指導者責任は、クラブの責任ともなる。「契約成立」しているわけで、

  「債務不履行」となる。

 ・クラブの運営責任者(役務を有するもの)は「事業者」と法的には認定される。

 ・NPOの法人格の取得をお勧めする。「任意団体」は法令上‘権利の主体’になれず、

  裁判などの際は、すべて個人責任となってしまう。

 ・子供を叱ることは、「行儀・マナーも教える」などのクラブ理念を事前に親に理解し

  て貰うことが大切。

 ・スポーツ保険は軽視され勝ちで、クラブの特徴に合わせて選択し、会員に公表する。

 等々、お話を伺えば「そのとおりだ」と思えても、ふだんはともすれば忘れがちなことばかりを指摘いただき、受講者の皆さんは目が洗われた気持になれました。谷塚先生はお話の最後に「怪我などのリスクが起きないのがクラブにとってベストだが、ゼロには決してなりません。要はそのリスクがトラブルに発展しないようにキチンとした対応(マネジメント)をすることにより、怪我・事故を起した人も‘自己責任’の範疇内で解決し双方納得することが出来ます。その基本は何と言っても信頼関係の確立でしょう」と述べられ、「いつでも皆さんの相談にのります」と約束頂き講義の締めとなりました。

2時間の緊張が解け、短時間の休憩とともに全員で実技の会場づくりを行いました。

14時50分からの実技研修「救急法(AEDの使用方法について)」は、講師に千葉県赤十字安全奉仕団委員長・清水重彦先生と日本赤十字社千葉県支部の指導員4名の方に指導いただきました。

 清水先生は講義で「119番通報して救急隊が現場に到着するまでの7分余、発見者が心肺蘇生やAED使用した場合と手当てをしなかった場合の救命率が余りにも違う」ことを繰り返し説明され、一次救命の重要性を強調されました。

 ボールが胸部に当たり心臓震盪など起きる例はどこのクラブでも可能性はあり、実技を受ける皆さんも真剣な面持ちです。講義をお聞きしながら、AEDの使用は極めて重要ですが、その前に心肺蘇生=胸部圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸の習得をシッカリ行う必要が分かります。研修は第一段階で「傷病者の意識の確認」から「119番通報とAEDの手配」「呼吸確認」「心肺蘇生+人工呼吸」まで勉強します。指導員の方たちのお手本を見ながら3人1組で実技用人形相手に大汗です。ひととおり終了すると第二段階のAEDの操作を学びます。落ち着いて行えば、音声で順番を指示してくれますから何方にでも操作が可能のようです。最終実技研修として第一から第二段階まで、つまり「一次救命措置」の通し研修です。他スポーツクラブの方とトリオを組んだ皆さんも、すっかり気を合わせての実技研修が進みました。最後に清水先生は、「傷病者がマバタキをしたり、心臓マッサージに拒否反応を示すような意識が回復しない限り、救急隊が到着するまで一次救命措置は続けて下さい。そして、トラブルデータが内臓されたAEDとともに救急隊に引き継いでください」と述べられた後「気道異物除去」の模範演技をみせていただき研修は16時40分に終了しました。「自分達に止まらず、会員にひとりでも多く研修させなければ…」との感想がアチコチで飛び交っていました。

 閉会に当たって田淵連絡協議会会長は「学んだことを身につけて、今後も安全なスポーツクラブ運営の為頑張って下さい」との講評を述べられました。

 「リスクマネジメント」と「一次救命措置」、忙しさゆえに通常のクラブ運営に目を奪われ勝ちな毎日ですが、今日学んだ内容を常にシッカリ理解しておくことの重要さが理解できました。一言も聞き漏らさないよう緊張した座学、大汗かいて頑張った実技―。参加者にとって大きな財産となった、新年初の‘納得’‘充実’の研修会でした。講師と協力された先生方、準備の役員の皆さん、そして参加された県下の総合型地域スポーツクラブの仲間の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。 (渡邉 記)

2012年01月24日|投稿者:スタッフ|



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